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立ち会い出産の本当の意味を考えよう

立ち会い出産の本当の意味を考えよう

立会い出産で何をする?


「お産は家族で乗りこえるもの」という考え方が定着し、夫が出産に関わった方が後の育児にも積極的になる、という理由で増えている「夫の立会い出産」。実際はどういったことをするのかきちんと知っておきましょう。

立会うのは誰?


産院によって考え方も様々で、夫の立会いも上の子の立会いも奨励しているところもあれば、子どもや親は不可で夫のみ許可しているところ、父親教室などに参加した夫はOKなどの条件付きで許可しているところ、全く許可していないところもあります。どうしても上の子に立会って欲しい、などの希望がある場合は事前に出産する予定の医院で可能かどうか確認しておきましょう。

立会って何をするの?


産院によって指導も違いますが、赤ちゃんが産まれ出てくる瞬間にそばにいることだけが「立会い」ではありません。陣痛室でできることと分娩室でできることに分かれると考えて下さい。

陣痛が始まってから分娩室に入るまでの時間は個人差があるのですが、お産の徴候があって「病院に来て下さい」と言われて到着しても、よほどの場合でない限りすぐにお産が始まるわけではありません。陣痛の痛みの間隔が10分になってから産まれるまでの分娩時間の平均は初産で12~16時間、経産婦でも5~8時間ですから、長い間を陣痛室で過ごすことになります。助産師さんや看護師さんもずっとついていてくれるわけではないので、一番苦しくて孤独な時間がこの時間なのです。痛みにこらえて大変な時に飲み物を持ってきてくれたり、マッサージをしてもらえたらとても楽になりますし、心強いものです。こんなときにわがままを言えるのは家族だけですから、痛みをこらえるあまりの暴言(?)も優しく受けとめてください。

そしていよいよ分娩室でのお産。ビデオやカメラに夢中になるのもわかりますが、まずは奥さんのことを一番に考えましょう。手を握って励ましたり、汗をふいたり、呼吸法をリードしたり。大抵は奥さんの足元ではなく頭の方に立つので、「産まれ出る瞬間はちょっと」といった血に弱い人でも大丈夫です。血がついていない状態で赤ちゃんに会わせてもらうように事前にお願いしてみてもいいでしょう。また、何と声をかけていいかわからないときは、「赤ちゃんもがんばっているよ」「もうすぐ赤ちゃんに会えるよ」といったような、痛みの先には喜びが待っていることを伝えましょう。

立会い出産のメリットは?


一人一人感じ方もいろいろですが、たくさんのメリットがあります。まずは立会いを希望する奥さんの気持ちをきちんと聞いて、自分達の場合はどういうお産を迎えたいのかできるだけ具体的に話し合いましょう。

<妻の意見>
・陣痛の苦しみをわかってもらえてよかった
・陣痛室で何度も飲み物を買いに行ってもらえて助かった
・陣痛の痛みを話をしながら紛らわせたのでよかった
・分娩台でパニックになりかけたけど、ずっと「落ち着いて」と声をかけてもらえたので冷静になれた
・私がすっかり忘れていた呼吸法でリードしてくれたので驚いた
・産まれた瞬間、私より先に泣いているのを見て嬉しかった
・夫婦の絆が深まったと思う
・大変さをわかってくれただけで嬉しい
・産まれてすぐの赤ちゃんを抱いて泣いていた
・子育てへも自分から関わってくれている(父親としての自覚が強いかも)
・ずっと手を握ってくれたので、心強かった
・分娩時間が長かったけどずっとついていてくれて感謝!
・二人でいたから出産の不安も半減したと思う
・わがままを言えたので楽だった
・痛みにこらえる時の暴言をぶつけられるのは夫しかいない!

<夫の意見>
・出産の大変さを一緒に体験することで夫婦の絆が深まった
・産まれる瞬間を同じ部屋で過ごせて感動した
・へその緒を切らせてもらえて命の重みを実感した
(注:へその緒を家族で切ることができるのは一部の産院です。)
・産まれ出る瞬間はこわくて見なかったけど、産声はしっかり聞けてよかった
・女性のすごさを感じた(妻に感謝!)
・陣痛室でマッサージをすることしかできなかったけど、少しでも力になれたと思う
・陣痛室で過ごす時間は長いので、一緒に話をして気が紛れたようだ
・分娩室に入る勇気はなかったけど、和痛マッサージはがんばった

立会い出産のデメリットは?


立会い出産と決めていても、いざその場面になると尻込みしてしまう人もいるようです。計画通りにはいかないのがお産なので、「こんなはずじゃなかった」という人も。ある程度のデメリットも想定しておいたほうがいいでしょう。

<妻の意見>
・何もせずに立っているだけで、余計に腹が立った
・こっちの痛みを全然わかってくれなかった
・そばにいられると気になって集中できなかった
・血を見ると気分が悪くなったらしく、分娩室から出て行った
・恥ずかしい気持ちもあって、喜びも半減した
・男性にはショックなのでは?
・夫が感動して泣いていたので私はさめてしまった

<夫の意見>
・仕事で間に合わなかったので後で怒られた(立会うと言わなければよかった)
・血がこわかった
・何となく、立会いたくなかった
・出産シーンを見たら「女性」として見られなくなるかも?
・分娩室に入ってから産まれるまでが長くて、感動よりも疲れた
・あまりのすごさに退室してしまった
・自分がオロオロしてかっこ悪かった(冷静ではいられない)
・両親教室に出ていなかったので、突然立会っても何をしていいかわからなかった

そばにいなくてもできること


産まれる瞬間に夫がそばにいなくても、お産に向けての準備を二人でしたり(両親教室に参加するなど)、奥さんの健康状態をいつも気にしたり、産まれてくる赤ちゃんの事やその後の子育てについて話し合ったりすることも「広い意味での立会い出産になるのでは」という意見もあります。奥さんに任せっきりではなく、一緒に出産・子育てについて考えることが何よりも大切なことですから、逆に出産の瞬間だけそばにいればいい、というものでもないでしょう。二人で考え、赤ちゃんを育てることで親になっていくわけですから、「立会い出産をしないからいい父親ではない」ということはありません。安心して出産できるように、妊娠中から少しずつ心の準備をして二人でよく話し合っておきましょう。

<妻の意見>
・両親教室に一緒に参加してもらえて、二人で育てていくという気持ちが強くなった
・仕事で来てもらえなかったけど、何度も電話をくれて励まされた
・単身赴任なので、手紙を書いてくれた

<夫の意見>
・離れていても心は一緒!
・産まれてすぐの写真をメールで見て、涙が出た
・仕事が終わってとんでいったら妻が喜んでくれた
・立ち会えなかったけど、毎日病院に通った
・退院してからが大変なので、育児を手伝っている(お風呂、おむつ替えなど)
・出産当日は仕事でいなかったけど、普段から二人で赤ちゃんの話をしていたので安心して産めた

 

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